(別冊「丸」・平成8年2月=戦争と人物⑲「連合艦隊司令長官」収載)
明治二十七年七月十九日、警備艦隊を西海艦隊と改称し、常備艦隊と西海艦隊とをもって、連合艦隊が編成された。連合艦隊司令長官には、常備艦隊司令長官伊東祐亨(いとう・ゆうこう、すけゆき)中将が現職のままこれに充てられた。
伊東祐亨中将は、帝国海軍における連合艦隊司令長官の第一号である。伊東中将は明治元年、海軍に入っていらい連続して海上勤務についた。わずかに明治十八年二月、横須賀造船所長を二カ月間務めたときをのぞき、海上勤務は二十一年間以上もの長きにおよんだ。