資源「ヨウ素」の国際会議 世界有数の生産地、千葉で開催

6日に始まった天然資源「ヨウ素」などに関する国際会議=同日、千葉県木更津市(小野晋史撮影)
6日に始まった天然資源「ヨウ素」などに関する国際会議=同日、千葉県木更津市(小野晋史撮影)

千葉県が世界有数の生産地である天然資源「ヨウ素」などに関し、最新の研究成果を報告する国際会議「第5回ハロゲン結合国際シンポジウム」が、10日まで同県木更津市のコンベンション施設「かずさアカデミアホール」で開かれている。かずさアカデミアパークの中核を担う同所での国際会議はコロナ禍以降で初めて。ヨウ素の新たな用途開発などに向け、第一線の研究者らが熱い議論を戦わせている。

6日に始まった同シンポには日米欧、中国など計13カ国から約120人の研究者が参加。発表や招待講演などが行われ、9日にはヨウ素の製造販売を行う「合同資源」(同県長生村)の施設見学なども行う。

ハロゲン結合とは、ヨウ素やフッ素、塩素といった元素が持つ性質で、酸素や窒素などと相互作用しやすい特徴を持つ。医薬品の効き目が良くなったり、新たな材料を作りやすくなるとして近年注目され、中でもヨウ素はハロゲン結合が最も強い元素とされる。

共同実行委員長を務める同社の海宝龍夫・上席アドバイザーは、「国際交流を通じて研究者が刺激し合えば、ヨウ素の新たな地平が切り開かれる。そのことは、ヨウ素という日本の強みをより強くすることにつながる」と話す。

同シンポは2014年にイタリアで始まり、隔年で開催。日本では今回が初となり、コロナ禍の影響で対面開催は4年ぶりとなる。世界的なヨウ素の生産地である本県で会場を決めるに当たり、同ホールは生産地に近く、ホテルも隣接していることから選ばれた。

同ホールを運営するかずさアカデミアパークの関係者によると、今後も複数の国際会議の開催が決まっており、「今回のシンポ開催を、さらなる誘致につなげたい」としている。

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