日産とルノー協議難航 中国への技術流出懸念

フランス北東部ランスにあるルノーと日産自動車の販売店=2019年7月(ロイター)
フランス北東部ランスにあるルノーと日産自動車の販売店=2019年7月(ロイター)

日産自動車と仏自動車大手、ルノーによる資本提携関係の見直し協議が難航している。15日に三菱自動車を含めた3社連合で、新たな提携関係の公表を目指しているが、延期の公算が高まっている。ルノーと日産の間で知的財産の取り扱いについて議論が平行線をたどっているためで、決着まで時間を要しそうだ。

日産とルノーは先月10日に資本提携関係の見直し協議の開始に関する共同声明を発表。日産はルノーに対し、出資比率を現在の約43%から対等となる15%に引き下げるように要請している。一方、ルノーは日産と三菱自にEV新会社への出資を求めている。

日産はEVのバッテリーの劣化を低減し、航続距離を伸ばせる「全固体電池」の開発を進めており、ルノーよりも先行している。関係者によると、EVに関する先端技術の特許権の取り扱いを巡り、両社で意見が折り合っていないという。

また、ルノーはエンジン部門を分社化し、中国自動車大手、浙江吉利控股集団と統合する計画で、日産は内燃機関の技術流出を懸念している。「すぐにEVに置き換わるわけではなく、あと10年はエンジンは使われる。非常にリスクが大きい」(日産幹部)。

ルノーは8日に投資家向け説明会を開き、EV新会社の概要を公表する見通しだ。ただ、交渉は進展しておらず、三菱自動車の加藤隆雄社長は2日の決算会見で「出資するか否かを判断する詳細の検討までに至っていない。短期間で結論が出るものではない」と述べた。日産幹部も「お互いに折り合うまで、まだ時間がかかる」と話している。

欧州ではEVシフトが加速しており、ルノーは日産株の売却や新会社の上場で開発資金を調達したい考えで結論を急ぐが、まだ先行きは見通せない状況だ。(黄金崎元)

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