超高性能SUVだからこそ味わえる別世界 アストンマーティンDBX試乗記

アストンマーティン「DBX」の標準モデルに大谷達也が試乗した。

専用設計プラットフォームのメリット

久しぶりにアストンマーティンDBXに試乗した。最近話題の「DBX707」ではなく、アストンマーティン初のSUVとしてデビューした、オリジナルDBXのほうである。

アストンマーティンはDBXのためにプラットフォームをまるごと新設計した。背が高くて、大きなタイヤを履いて、多くは4WDを採用しているSUVだけれど、プレミアムブランドを含めてたいていのメーカーはセダンやワゴンとおなじプラットフォームをSUVにも用いている。

もちろん、おなじプラットフォームといっても、なにからなにまでまったく共通ではないだろうし、おなじプラットフォームでも様々な味付けに仕上げられることはいくつものメーカーが実証してきた。

それでも、専用設計のプラットフォームにはそれなりのメリットがあると思う。

DBXを開発したのは、元ロータスの腕利きエンジニアであるマット・ベッカーだ。ベッカーとは何度も議論を交わしたけれど、私が常々気にしているハンドリングと乗り心地のバランスでいえば、サスペンションの取り付け部分の剛性と、サスペンションとボディのあいだに入れる緩衝材のバランスが重要だとことあるごとに力説していた。

詳しい内容は省くけれど、サスペンションからの力を受け止める部分のボディ剛性を上げておくと、質の高いハンドリングと快適な乗り心地を両立できるということだった。

改めてDBXのボンネットを開けてみると、フロントサスペンションのトップマウント部分をカバーする巨大なアルミ鋳物製の補強材と、左右のトップマウントを絶対にぐらつかないように固定している2本のストラットタワーバーが目に飛び込んでくる。

最近、この部分の剛性を高めたハイパフォーマンスカーが少なくないけれど、DBXのそれは常軌を逸しているほど頑丈そうに見える。そして、ここまで念には念を入れてクルマの土台を作り上げたからこそ、そこから先の“足まわりの味付け”という部分でベッカーは思う存分、腕を振るうことができたのだろう。

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