天皇陛下は10月28日、皇居・宮殿で、ウルグアイのラカジェポー大統領と会見された。宮内庁によると、会見では強制隔離やロックダウンをせずに新型コロナウイルスの感染拡大を抑えたウルグアイの対応が話題となり、陛下は大統領に敬意を表された。
陛下は11月2日には、皇后さまとともに、皇居・御所でドイツのシュタインマイヤー大統領夫妻と懇談された。宮内庁によると、大統領が平成30年に上皇さまと面会したことを「良い思い出」と振り返り、「(上皇さまに)よろしくお伝えください」と話すと、陛下は「必ずお伝えします」と応じられた。
懇談では、20日に開幕するサッカーのワールドカップ(W杯)カタール大会も話題に。日本とドイツが1次リーグで同じ組に入っていることについて、陛下は大統領と「残念」「悩ましい」と言葉を交わしつつも、「いずれにせよ、すばらしい試合になることを期待しています」と伝えられたという。
皇后さまは夫人と時折ドイツ語を交えて懇談され、夫人が「(ドイツ語を)どちらで学ばれたのか」と尋ねる場面もあったという。
陛下は3日、宮殿で文化勲章親授式に臨み、歌舞伎の松本白鸚さんら4人に勲章を手渡された。
陛下はその後、受章者それぞれに「お体を大切に」などと声をおかけに。松本さんとは、松本さんの出演した舞台や、昨年亡くなった弟の中村吉右衛門さんについて言葉を交わされた。また、受章者の一人で、発酵学の別府輝彦さんによると、陛下は別府さんの恩師で、発酵学の大家・坂口謹一郎氏の著書を読んだことを伝えられたといい、別府さんは終了後の記者会見で「感激した」と話した。