日本三名園の一つ、金沢市の兼六園で1日、湿った雪の重みから木々を守るための冬支度「雪づり」の作業が始まった。枝に円すい状の縄が張られた姿は、北陸に冬の訪れを告げる伝統の風物詩となっている。
雪づりは、園内随一の枝ぶりを誇る「唐崎松」をはじめ、マツやツツジなど約800カ所で実施する。この日は肌寒い中、高さ約14メートルの柱に登った庭師が、徐々に体の向きを変えながら約180本の縄を投げ下ろした。
福島市から夫婦で訪れた公務員の男性(63)は「雪国ならではの造園作業が見られてよかった」と話していた。
庭師や造園業者ら延べ約500人が総延長120キロ計約4トンのわら縄を使用し、12月中旬まで作業に当たる。雪づりが施された木々の姿は3月中旬ごろまで楽しめる。