今から22年前、生命科学の新時代の幕開けを告げる記者会見が、世界の耳目を集めた。
2000(平成12)年6月26日、米大統領のクリントンは、人間のDNAに含まれる全遺伝情報(ゲノム)を読み取る「ヒトゲノム計画」について、「解読がほぼ完了した」と高らかに宣言した。
同計画は日米欧などによる国際プロジェクトで、英首相のブレアも衛星中継で会見に参加。「体の設計図」とも呼ばれる遺伝情報の全体像解明は、新薬の開発など医療分野で飛躍的な進展を遂げるための土台ができたことを意味し、米英の首脳がそろって発表するに足る成果だった。