「神戸の屈辱」から「神宮の歓喜」へ オリ中嶋監督、選手を信じ頂点に

26年ぶりに日本一に輝き、胴上げされるオリックスの中嶋聡監督。選手を信じ、総力戦で頂点に立った=10月30日、神宮(斎藤浩一撮影)
26年ぶりに日本一に輝き、胴上げされるオリックスの中嶋聡監督。選手を信じ、総力戦で頂点に立った=10月30日、神宮(斎藤浩一撮影)

マウンド付近に集まったオリックスナイン。笑顔でその輪に加わった中嶋監督は神宮の夜空の下で5度、宙を舞った。2年連続で同じ顔合わせとなったヤクルトとの日本シリーズを制し「ここにいる選手、舞洲(2軍)にいる選手も含め、全員で勝ち取った優勝」と感無量の表情だった。

酷寒の神戸での屈辱を忘れたことはなかった。東京五輪や新型コロナウイルス禍の影響で、例年より約1カ月遅い11月下旬に行われた昨季の日本シリーズ。ほっともっと神戸での第6戦、延長十二回の末にヤクルトに敗れ、高津監督の胴上げを見せつけられた。「しっかり負けましたから。今年はやり返したい」と強い気持ちで今季のシリーズに臨んでいた。

全6試合が2点差以内だった昨季に続き、激戦が続いた。山本を先発に立てて必勝を期した第1戦はエースの負傷による途中降板で落とし、九回まで3-0とリードした第2戦は阿部が土壇場で同点3ランを打たれて引き分け。一瞬のスキが命取りになる。「これがシリーズ」。試合後、指揮官は声を絞り出した。

本拠地に戻った第3戦も黒星。しかし、昨季からバージョンアップしたリリーフ陣を前面に押し出す戦いを続けた。第4戦は1-0で逃げ切り。その試合で回またぎでリリーフした宇田川、山崎颯を第5戦はベンチから外した。

「経験のない投手。こちらがケアしないと」。連投でパフォーマンスが落ちることを防ぐための決断だった。休養十分の2人は第6戦でも好救援を見せた。

試合に勝っても負けても「いつも通り、目の前の試合を戦うだけ」と平常心を強調してきた中嶋監督。ナインの力を信じて「神宮の歓喜」を迎えた。(鮫島敬三)

会員限定記事会員サービス詳細