日本人女性2人を含む154人が犠牲となったソウルの繁華街、梨泰院(イテウォン)の雑踏事故の現場近くには、ハロウィン当日の31日も花や手紙を供えに訪れる人が後を絶たなかった。友人らの死にその場で泣きじゃくる若者らも少なくなかった。
現場近くの地下鉄駅入り口に花と酒を供えた文海彬(ムン・ヘビン)さん(32)は事故が起きた10月29日夜、近くで営む飲食店で仕事に追われ、しばらく事故に気づかなかったという。「仕事中じゃなく、外にいたら私も巻き込まれていたかもしれない」と、涙を浮かべた。当日は天候もよく、絶好の「ハロウィン日和」だと思っていたところ予想もできない惨事となった。
ソウル市内各所には焼香所が設けられ、政府高官や与党幹部が31日、相次いで弔問した。(ソウル 桜井紀雄)