文部科学省が27日に公表した令和3年度の問題行動・不登校調査結果では小中高校のいじめ認知件数が過去最多となった。中でもパソコンやスマートフォンなどを使った「ネットいじめ」が2万1900件と年々増加してこちらも過去最多と更新。新型コロナウイルス禍で一気に進んだ教育のICT(情報通信技術)化に暗い影を落とす。一方、不登校対策にオンライン授業が用いられるケースも増加。ICTの制限と有効活用で教育現場は揺れ動いている。
いじめ61万5千件で過去最多 不登校は24万人超 文科省調査
ネットいじめの件数はいじめ全体の認知件数同様増加を続けている。平成26年度は7898件だったが、28年度には1万件を超えて1万779件。令和2年度は1万8870件だった。手法に関する詳細な分析は行われていないが、コロナ禍で導入が前倒しとなり小中学生に1人1台配られた学習用のタブレット端末も悪用されているという。
また、年齢とともにネットいじめが増えていく傾向にある。認知件数に占める割合をみると、ネットいじめは小学1・9%、中学10・0%、高校17・3%。スマートフォンやタブレットなどの個人所有が年齢とともに増えるためだとみられる。