名将山本五十六 遺骸発見者の追憶(上)飛散した機体2022/10/25 10:00有料プラン記事月刊「丸」あの戦争から今へ反応昼なお暗き密林の中に眠る山本五十六長官機の残骸。一式陸攻の尾部、垂直尾翼=ブーゲルヴィル島ブイン郊外(パプアニューギニア)(月刊「丸」・昭和42年4月号収載)米軍の反攻が日増しに熾烈(しれつ)をくわえ、ガダルカナル島(南太平洋ソロモン諸島)の日本軍が苦しい作戦をつづけているとき、中支那戦線で五カ年有半にわたり、大なる戦果をあげつつ転戦したわが精鋭第六師団が急遽、南方戦線増援に転進すべく、年末の雪のふる寒い日、支給せられた夏服に身をかためて上海港を出帆したのは、昭和十七年も暮れの十二月下旬であった。船中では、これから先どこに運ばれるのか誰知る者もなく、いろいろの話題が出てにぎやかであった。