立民・泉氏と共産・志位氏 維新との関係めぐり〝空中戦〟

立憲民主党の泉健太代表(矢島康弘撮影)
立憲民主党の泉健太代表(矢島康弘撮影)

立憲民主党の泉健太代表と共産党の志位和夫委員長が交流サイト(SNS)上で〝空中戦〟を展開している。日本維新の会に接近する立民に対し、共産の不満が爆発した格好だ。

発端は泉氏が21日に東京都内で行った講演だった。立民と維新との間で隔たりが大きいと指摘される憲法に関し、泉氏は「実はそんなに、差があってないようなもの」「(国会の)憲法審査会で議論すればよい」などと述べた。

これに志位氏が敏感に反応。ツイッターで「維新が『憲法9条改憲の突撃隊』となっていることは明らかであり、もしも立憲代表が憲法をめぐって維新と協力の余地ありと考えているとしたら、とんでもない考え違いというほかない。野党ならば正面から対決すべきだ」と発信した。

泉氏も黙っていない。ツイッターで志位氏の発信内容を紹介した上で、「憲法を『議論する』と言ったまでで、協力の余地ありなどとは一言も言っていませんが…。ずいぶん見当違いな認識と批判だ。敵味方をすぐに色分けし、異論は許さないという考え方こそ改められては」と応戦した。

両者の対立の背景には、この臨時国会から始まった立民と維新との政策6項目の実現に向けた「共闘」がある。立民は憲法審での議論に応じる構えを示しているが、これは改憲を訴える維新への配慮との見方が根強い。一方、護憲を掲げる共産は維新を「与党の補完勢力」と酷評してきた。改憲への道を開きかねないとして憲法審の開催にも反対の立場だ。

立民と共産は平成27年に成立した安全保障関連法への反対運動を機に共闘関係を強化してきたが、最近の国政選挙で躍進著しい維新が潮目を変えつつある。

共産の小池晃書記局長は24日の記者会見で、志位氏の発信に沿った主張を展開した上で「ことは憲法だ。市民と野党の共闘の柱だ。それをめぐっての議論なので、あえて一言申し上げさせていただいた」と泉氏を牽制(けんせい)した。

会員限定記事会員サービス詳細