「少し涙が出た」「特別な経験」 世界文化賞授賞式後に交歓の輪

記念撮影する(左から)アイ・ウェイウェイさん、森美術館の片岡真実館長ら=19日午後、東京・元赤坂の明治記念館(川口良介撮影)
記念撮影する(左から)アイ・ウェイウェイさん、森美術館の片岡真実館長ら=19日午後、東京・元赤坂の明治記念館(川口良介撮影)

東京・元赤坂の明治記念館で19日夕、第33回高松宮殿下記念世界文化賞のカクテルレセプションと祝宴が開かれ、お祝いに駆けつけた文化人らと受賞者との間で交歓の輪が広がった。

「40年近く前、あなたの個展を手掛けた」。絵画部門のジュリオ・パオリーニさんに声をかけたのは、国立新美術館(東京)の逢坂恵理子館長。パオリーニさんは「当時の私は若かった。今でも若いが…」と冗談めかし、受賞については「長年、感激することはなかったが、今日は少し涙が出た」と喜びを口にした。

【第33回高松宮殿下記念世界文化賞】授賞式を終え写真撮影に応じるジュリオ・パオリーニ氏(左)と国立新美術館の逢坂恵理子館長(右)=19日午後、東京・元赤坂の明治記念館(川口良介撮影)
【第33回高松宮殿下記念世界文化賞】授賞式を終え写真撮影に応じるジュリオ・パオリーニ氏(左)と国立新美術館の逢坂恵理子館長(右)=19日午後、東京・元赤坂の明治記念館(川口良介撮影)

彫刻部門のアイ・ウェイウェイさんを祝福したのは、森美術館(東京)の片岡真実館長。13年前、アイさんの大規模個展を世界で初めて開いたのが同館だった。授賞式を終えたアイさんは「厳かな式典で、特別な経験だったよ」と笑顔を浮かべた。長年付き合いのある片岡館長は「欧州移住後のアイさんは、より広い視野で人権や自由を問う作品を生み出し、いまや世界的な存在。でも、素顔は感情豊かで人間らしい、普通の人なんですよ」と明かした。

建築部門の建築家ユニット「SANAA」の妹島(せじま)和世さんと西沢立衛(りゅうえ)さんは、平成22年の第22回同部門受賞者で建築家の伊東豊雄さんの事務所で働いていたことがあり、この日は3人で旧交を温めた。

【第33回高松宮殿下記念世界文化賞】授賞式を前に歓談する(左から)SANAAの妹島和世氏、西沢立衛氏、ヴィム・ヴェンダース氏=19日午後、東京・元赤坂の明治記念館(川口良介撮影)
【第33回高松宮殿下記念世界文化賞】授賞式を前に歓談する(左から)SANAAの妹島和世氏、西沢立衛氏、ヴィム・ヴェンダース氏=19日午後、東京・元赤坂の明治記念館(川口良介撮影)

妹島さんが「私は出来が悪い」というと、伊東さんが「そんなことはない。私が何を言おうが、好きか嫌いかをはっきり言っていた。(西沢さんは)もうちょっと論理的」などと振り返った。

音楽部門のクリスチャン・ツィメルマンさんを笑顔で迎えたのは、日本を代表する指揮者の井上道義さん。実は、2人は18日の「歓迎の夕べ」で初めて顔を合わせた。だが、ピアノを自作するツィメルマンさんに井上さんが「僕も子供の頃、近所の工場でよく遊び、工作が得意だ」と明かすと、2人はすぐに意気投合。ツィメルマンさんも「共演の経験はないが、お互い、これまで、それぞれの公演のよき観客だったことを知ることができた」と笑顔を返した。

【第33回高松宮殿下記念世界文化賞】授賞式後、談笑する音楽部門のクリスチャン・ツィメルマン氏(右)と指揮者の井上道義氏=19日午後、東京・元赤坂の明治記念館(三尾郁恵撮影)
【第33回高松宮殿下記念世界文化賞】授賞式後、談笑する音楽部門のクリスチャン・ツィメルマン氏(右)と指揮者の井上道義氏=19日午後、東京・元赤坂の明治記念館(三尾郁恵撮影)


演劇・映像部門のヴィム・ヴェンダースさんのお祝いに駆けつけたのは、「往年のファン」だという東京国際映画祭の安藤裕康チェアマン。「お目にかかれてうれしい」とあいさつを交わした2人は、しばし歓談。監督の代表作「パリ、テキサス」が第1回目の同映画祭(昭和60年)で上映されたことやヴェンダースさんが第6回(平成5年)のヤングシネマ・コンペティション部門審査委員長を務めたことなど同映画祭の思い出や監督が信奉する小津安二郎の話で盛り上がった。


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