中国、台湾統一を「ずっと早い時期に」と決断 米国務長官が見解

ブリンケン米国務長官(AP=共同)
ブリンケン米国務長官(AP=共同)

【ワシントン=渡辺浩生】ブリンケン米国務長官は17日、中国の軍事的威圧を受ける台湾の情勢をめぐり「中国は現状をもはや受け入れることができず、ずっと早い時期の統一を追求する根本的な決断」をしたとの見解を示した。習近平総書記(国家主席)は16日、中国共産党大会で台湾統一に強い意欲を示し、武力行使を放棄しないと言明しており、米国の強い危機感を表したとみられる。

カリフォルニア州のスタンフォード大でライス元国務長官と公開対談した際の発言。ブリンケン氏は具体的な時期は触れなかった。台湾侵攻の時期をめぐっては、米インド太平洋軍のデービッドソン前司令官が2027年までの「5年間を深く憂慮している」との見方を示している。

ブリンケン氏は「中国政府の台湾への接近手段が近年変化した」と指摘。中国が「(統一の)目的を達成するため、平和的な手段がうまくいかなければ威圧的な手段を使い、それが機能しなければ、強硬手段を用いる」との見方を示した。

その結果「すさまじい緊張が生じる」とし、台湾海峡を日々通過する大量の商業船舶や、世界最大のシェアを占める台湾の半導体生産が妨げられ、「世界中に経済危機をもたらす」と警鐘を鳴らした。

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