G7、為替市場の「急激な変動」に懸念 対露制裁は継続

G7財務相・中央銀行総裁会議に向かう鈴木財務相=12日、ワシントン(共同)
G7財務相・中央銀行総裁会議に向かう鈴木財務相=12日、ワシントン(共同)

【ワシントン=坂本一之】先進7カ国(G7)は12日、米ワシントンで財務相・中央銀行総裁会議を開催し、「多くの通貨が急激に変動している」ことに懸念を示す声明を発表した。ロシアのウクライナ侵略が「世界経済に大きな混乱を引き起こしている」と非難し、対露制裁を継続していくことを確認した。

G7は米財務省が発表した声明で、インフレ抑制に向け中央銀行が金利引き上げなどを実施していることに関し「経済活動への影響や国を超えた波及を抑制することに留意」すると明記した。

ドル高が続く為替市場については、最近の急激な変動を踏まえ「世界市場を注意深く監視し続ける」との考えで一致。2017年5月の声明で示した「為替レートの過度の変動や無秩序な動きは、経済および金融の安定に悪影響を与えうる」との認識を維持する。

ロシアの侵略行為は「エネルギーや食料など商品価格の大幅な上昇を引き起こし」、多くの国でインフレを悪化させていると批判。ウクライナへの支援とともに、ロシアへの経済・金融政策を連携しながら継続していくことを確認した。具体的な対露制裁では、調整を進める露産石油の取引価格の上限設定も明記した。会議にはウクライナのマルチェンコ財務相も参加した。

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