生きている山本五十六（４）はかり知れぬ深さ

（月刊「丸」・昭和４１年４月号収載）

昭和二年二月から三年の春まで元帥が、米国在勤の帝国大使館付武官としてご在職の後半を、私は後任補佐官としてお仕えした。

このころから山本元帥は、米国航空のことについてはするどい眼で注視しておられた。当時、大西洋横断飛行ということが、米国航空界の大問題であったが、ついにリンドバーグがこれに成功し、つづいてバードが、最後に不時着水したけれど事実上はこれを成しとげた。