中米の小国エルサルバドルが暗号資産(仮想通貨)の代表格ビットコイン(BTC)を世界で初めて法定通貨として採用して1年余り。貧困層への支援などを掲げ、若きブケレ大統領(41)がスタートさせたが、BTC価格が大幅に下落し、同国の国際的な信用低下を招いた。国民は不安定なBTCを敬遠して従来の法定通貨米ドルを使い続けており、ブケレ氏の「実験」は頓挫しつつある。
国民に30ドルを配布
BTCの法定通貨化は昨年6月5日、新世代のリーダーとして人気の高いブケレ氏によって突然表明された。「BTC法」が9月7日に発効し、米ドルに加えてBTCが第2の法定通貨となった。