来年2月12日まで京都市京セラ美術館新館「東山キューブ」(同市左京区)で開催されている「アンディ・ウォーホル・キョウト」(産経新聞社など主催)の主な作品を5回にわたって紹介します。第3回は「自画像(髪が逆立ったかつら)」です。
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銀幕のスターや著名なミュージシャンなど数多くの有名人の肖像を作品化したウォーホルは、ポラロイド写真を複製して作った自画像をいくつも残している。その中の1枚がこの作品。
もともと1950年代から地毛と同じ薄茶色のピースを使っていたが、60年代半ばに自分の作品制作スタジオ「シルバー・ファクトリー」が注目を集め始めると、銀色に着色したかつらをつけるようになった。
父が東方カトリック教徒であるスロバキア系移民家庭に育ち、自身も性的少数派だったウォーホルは、上昇志向が強い人物だった。米国で認められるため、彼は芸術的才能をフル稼働する一方、セルフプロデュースにも力を注いだ。
たとえば、ボーダーシャツにクリースを入れたジーンズと黒いブーツを合わせた着こなしはラフかつ知的。後にファッション業界とも蜜月関係が生まれ、自身もファッションアイコンとなるのだが、髪が逆立ったかつらは名声の象徴ともいうべきアイテムなのだ。
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