「敵国と共同受賞」違和感 兄弟国扱いにウクライナ

ウクライナの人権団体「市民自由センター」(CCL)へのノーベル平和賞授与が7日発表されたことについて、敵国ロシアやその同盟国ベラルーシの団体、個人と共同受賞になることに違和感を示す声がウクライナで目立っている。毎晩ビデオ演説するゼレンスキー大統領は7日夜の演説では受賞決定に触れなかった。

ウクライナ最高会議(議会)の親欧米派政党議員で歴史家のウォロディミル・ビアトロビッチ氏はツイッターで、CCLの受賞は喜ばしいとしつつ、露とベラルーシの団体、個人への授賞とひとまとめにされたことには、3国が「兄弟国だとするロシアの神話の現実化」であり「不適切だ」と断じた。こうした兄弟国思想がウクライナ侵攻の「根底にある」とも訴えた。

ポドリャク大統領府長官顧問は7日、「ノーベル賞委員会の『平和』という言葉の理解は興味深い」と皮肉った。「ロシアやベラルーシの団体は戦争への抵抗を組織できていない」とも書き込み、共同受賞した露の人権団体「メモリアル」でさえプーチン政権の戦争を止められないことにいらだちを示した。(共同)

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