【北京=三塚聖平】中国各地の観光地を中心に新型コロナウイルスの感染が拡大し、部分的な封鎖措置をとる都市が増えている。16日に中国共産党大会の開幕を控え、当局は会場となる北京市への感染者の流入を防ぐため警戒している。
中国本土で7日に新たに確認された感染者は空港検疫などを除き1748人(無症状を含む)。ゼロコロナ政策をとる中国では緊張が増している。中国は1~7日に国慶節(建国記念日)の連休で、観光客を通じた感染拡大が起きた。
感染者が最も多かったのは内モンゴル自治区で、区都フフホト市は7日、住民に対して市外に出ないよう要請した。8日からは市中心部を中心に在宅勤務や、バスなどの運行停止を求め、「半封鎖」(香港紙)の状態に入っている。
自治区トップらは1日に対策会議を開き、自治区の外への感染拡散を防ぐよう指示した上で、「とりわけ北京に流出させることは許されない」と強調した。
習近平国家主席が最高指導者として異例の3期目入りを目指す党大会を前に、地方当局に対する圧力が増しているもようだ。
感染者の確認が相次ぐ新疆(しんきょう)ウイグル自治区ウルムチ市なども、住民に市外へ出ないよう求めている。