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ソフトバンク千賀、メジャーで輝く第2章…年棒は4年総額115億円以上 植村徹也

大リーグへの挑戦が秒読みといわれているソフトバンク・千賀滉大投手(撮影・土谷創造)
大リーグへの挑戦が秒読みといわれているソフトバンク・千賀滉大投手(撮影・土谷創造)

4年契約で総額115億円以上-。夢のような巨額契約が目前にある。ソフトバンクのエース・千賀滉大(せんがこうだい)投手(29)は日本シリーズ終了後(10月22日~第7戦ならば30日)7日間以内に取得している海外フリーエージェント(FA)の権利を行使。米大リーグ挑戦を表明する方向だ。

千賀は今季22試合に登板し11勝6敗。防御率1・94。ホークス一筋11シーズンで87勝44敗1セーブを記録した。2020年には最多勝(11勝6敗)、最優秀防御率(2・16)を獲得。主戦投手として成長した16年以降、チームを日本一に4度導いた。球団とは21年オフ、取得していた国内FA権を行使せず、選手自身が契約を見直したり破棄できる「オプトアウト」付きの年俸変動制5年契約を締結。今季は2億円増の年俸6億円(金額は推定)でプレーしている。

大リーグ挑戦の希望は持ち続けていたが、球団はポスティングシステムによる移籍を容認しておらず、胸中に「メジャー・リーグ挑戦」を温めていた。今季の9月16日に海外FA権の取得要件を満たした。球団を通じ「今まで携わってくださった方々に感謝の気持ちでいっぱいです。今はチームが優勝争いしている終盤戦なので、チームを勝ちに導けるように頑張っていくだけです」とコメントしていた。メジャー移籍に備えるため、今春には鈴木誠也外野手(広島→カブス)や筒香嘉智外野手(DeNA→レイズなど)の代理人を務めた「ワッサーマン・グループ」のジョエル・ウルフ氏と契約を結んでいる。

気になるのは大リーグ側の評価だが、球界関係者は「千賀が海外FAを宣言すれば今オフ、最も人気のある投手のひとりとしてメジャーが注目する」と話している。平均145キロの速球を制球力良く投げ込め、外国人投手にはない〝魔球〟を持っている。現在のメジャーの主戦投手はカットボールが主体。球速が落ちずに左右に細かな変化はつけられるが、真下に落ちるフォークボールはほとんど投げない。千賀は日本代表に選ばれた17年のWBCで〝お化けフォーク〟を連発。当時から大リーグ関係者の注目を浴びていた。

現状、大リーグの主戦投手の年俸の相場は1年2000万ドル(約28億8000万円)。複数球団による争奪戦で条件は高騰する可能性はある。1年2000万ドルの4年契約として総額8000万ドル、日本円に換算すれば115億円を超える。昨季、ポスティングシステムで広島からカブスに移籍した鈴木誠也の契約が5年総額8500万ドル(約123億円)だったことからも十分にあり得る金額だ。

「オフになって大リーグの先発投手のマーケットが開いた後、どのような金額が飛び出てくるか…。相場が高騰すれば、さらに千賀には追い風が吹く可能性がある。どう少なく見積もっても4年なら120億円前後の契約になる」と球界関係者は話した。

それにしても、千賀は夢追い人だ。2010年の育成ドラフト会議でソフトバンクから4巡目指名を受けた。高校は中央球界では無名の愛知県立蒲郡高。1年途中に投手に転向し、3年夏の大会では3回戦敗退。甲子園出場経験はない。地元のスポーツショップの経営者がホークスのスカウトに連絡して育成ドラフトでの指名となった。

プロ初年度の年俸は270万円(金額は推定)。主戦投手に成長した16年以降に年俸は倍々ゲーム…。2500万円→6500万円→1億2500万円→1億6000万円→3億円→4億円→6億円となり、大リーグ移籍ならば来季は一気に1年28億円だ。これほどのサクセスストーリーはめったに見られない。〝千賀物語〟は大リーグ挑戦で華々しい第2章が始まる。

(特別記者)

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