中国、「国策」国産旅客機が来年にも商用運航へ 習氏、党大会前に成果アピール

中国初の国産中型ジェット旅客機「C919」の開発担当者らを激励する習近平国家主席(手前右)=9月30日、北京の人民大会堂(新華社=共同)
中国初の国産中型ジェット旅客機「C919」の開発担当者らを激励する習近平国家主席(手前右)=9月30日、北京の人民大会堂(新華社=共同)

【北京=三塚聖平】中国が、国産ジェット旅客機「C919」の商用運航へ取り組みを急いでいる。9月には、運航に必要な安全認証の「型式証明」を取得し、来年にも商用運航に入るとの見通しが伝えられた。習近平国家主席は、最高指導者として3期目続投を目指す中国共産党大会を前に「国策」として進めてきた成果を強調しているが、海外輸出の行方など先行きは視界不良だ。

C919は、上海の国有企業「中国商用飛行機」が開発した。中国メディアによると、航続距離は4075~5555キロで、座席数は158~168席。2008年から研究・開発を行い、17年に初飛行した。

習氏は9月30日、C919のプロジェクトチームと北京の人民大会堂で会談。国産旅客機の開発について「国家の意志、民族の夢、人民の期待を担っている」と強調。その上で「製造強国の建設を着実に推進しなければならない」とげきを飛ばした。その前日にはC919が航空当局から型式証明を得たことを記念したセレモニーが行われた。中国国営新華社通信は、今年末には1機目が引き渡されると伝えている。

習政権は、対立長期化が見込まれる米国に依存しない産業の「国産化」を目指しており、党大会前に求心力向上につなげる考えとみられる。ただ、中国誌・財経(電子版)によると、エンジンなどの重要部品は米国企業に頼っており、「国産で代替するのはまだ難しい」という。

中国は、C919の輸出も目指す。ロイター通信によるとナイジェリアが導入に前向きな姿勢を示しているというが、欧米への輸出にはハードルが指摘される。欧州エアバスの「A320」や、米ボーイングの「737」という競合機種の存在に加え、米国と欧州の航空当局からも証明を取得する必要があるからだ。財経は「政治、経済、技術などの制限を受け、海外で証明を得る困難は小さくない」と予測する。

これまでに28社から計815機を受注し、最初に引き渡すのは中国東方航空だ。当面は国内の航空会社と航空機リース会社が主な販売先になるもようだ。

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