教団襲撃への協力求めメール 元教会幹部に容疑者 安倍氏言及なし

安倍晋三元首相が奈良市で街頭演説中に銃撃され死亡した事件で、殺人容疑で送検された山上徹也容疑者(42)=鑑定留置中=が事件の約1年前、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の地元・奈良の元幹部(60)に、教団トップ襲撃への協力を募る趣旨のメールを送っていたことが分かった。安倍氏への言及は一切なかったが、メールに気付いたのは事件後だった。8日で事件から3カ月。元幹部は「早く気付いていれば」と悔やむ。

これまでの調べや親族への取材などによると、山上容疑者の母親は平成3年ごろ旧統一教会に入信。相続した不動産の売却代金など1億円を超える献金を続け、14年に破産した。山上容疑者はその後、旧統一教会への恨みを募らせ、教団幹部の襲撃を画策。安倍氏が昨年9月、旧統一教会の友好団体にビデオメッセージを寄せたことで、安倍氏に標的を変えたとされる。

元幹部によると、山上容疑者とは高校時代から10年ほど交流。その後、連絡が途絶えていたが、昨年5月に「アドレスを聞きました」とメールが届き、「教会を憎んでいますか」という趣旨の質問があった。元幹部が否定すると、「もう結構です。この話はなかったことにしてください」と返信があった。

元幹部はこの時点でやり取りが途絶えたと思っていたが、別のメールが届いていたのを事件後に発見。文面の詳細は明かさなかったが、教団トップの襲撃を示唆するような内容だったという。山上容疑者はこのメールを送った直後、自身のツイッターにも《統一教会を、(教団トップ)一族を、許せないという思いがあるなら どうか連絡して下さい》と書き込んでおり、同じ内容だったとみられる。

元幹部は取材に「家庭を壊し、自己破産させた教団を潰さないといけない、という思いに駆られたのだろう。見落とさずに読んでいれば、また展開が違ったかもしれない」と話した。

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