離れた場所の機器に電波を使って充電 ソフトバンクなど、令和12年に実用化へ

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ソフトバンクと京都大、金沢工大は7日、離れた場所にある機器に電波を使って電力を送る「ワイヤレス電力伝送」の実験に世界で初めて成功したと発表した。次世代の第6世代(6G)移動通信システムと合わせて令和12年頃の実用化を目指す。6G時代にはIoT(モノのインターネット)機器がさらに普及することが想定されており、実用化されれば、意識しなくてもIoT機器が充電できるようになるという。

電波があまり利用されていない時間帯などでは、約10メートルの範囲にあるIoT機器の充電が可能になる。

電力伝送の対象として想定しているのは、スマートフォンと無線通信して位置情報が検索できる米アップルの「エアタグ」など消費電力が低い機器や、通信機能を備えたセンサー類だ。ただ、「スマートフォンなど消費電力が高い機器の充電は12年では難しい」(ソフトバンク担当者)という。

今回、実験に成功したミリ波の周波数帯は、高速通信が可能な一方で降雨などでも電波が遮られる。このため活用が広がっていなかったが、5G以降の携帯電話回線で利用の拡大が想定されている。

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