主張

安保理と北朝鮮 専制大国の擁護を許すな

北朝鮮から弾道ミサイルが発射され、取材に応じる岸田首相=6日午前7時1分、首相官邸
北朝鮮から弾道ミサイルが発射され、取材に応じる岸田首相=6日午前7時1分、首相官邸

北朝鮮が6日、日本海に向け、短距離弾道ミサイル2発を発射した。4日には、日本列島を越える弾道ミサイルを発射したばかりである。

6日の発射に先がけ、国連安全保障理事会は、日本列島越えのミサイル発射への対応を協議したが、一致した見解を打ち出せず、中国とロシアの反対で報道声明の発表すらできなかった。残念な結果である。

発射は米韓、日米韓の軍事演習に対抗するメッセージのつもりかもしれない。だが、北朝鮮の弾道ミサイル発射は核開発とともに、安保理決議が禁じている。絶対にやってはならない。

北朝鮮の弾道ミサイル発射は今年に入り24回目、9月末以降で6回目という異様な頻度だ。弾頭の軽量化、変則軌道など着々と技術を向上させている。日本近海を実験場とみなす不遜な態度だ。

早朝の町に警報が鳴り響き、住民は窓を閉ざし、自宅に引きこもる。これは、平和な国家の日常風景ではない。

日本はもっと危機意識を高め、自らのこととして防衛力強化を考える必要がある。国連などの場を通じ、北朝鮮と対峙(たいじ)する厳しさを世界に訴えることも重要だ。

核兵器の運搬手段である弾道ミサイル発射は核開発と一体だ。北朝鮮は「核使用法令」を採択し、核を放棄しないと宣言した。7回目の核実験実施の観測も強まっている。警戒感を強めるべきは言うまでもない。

安保理の会合で、米国のトーマスグリーンフィールド国連大使は「北朝鮮は安保理の2つの国から全面的な保護を得て、増長している」と述べ、後ろ盾の中国とロシアを非難した。

中露はともに、安保理常任理事国の一角を占め、強大な権限を有する。北朝鮮にとって頼りがいのある後ろ盾だ。今年5月には、両国が拒否権を行使し、制裁強化決議案から北朝鮮を守った。

もはや、安保理の機能不全では済まない。中露は北朝鮮を自らと同じ、強権国家、専制主義国家の一員とみなし、自国やこうしたグループの利益のため、常任理事国の特権を使っている。

日本は来年から、任期2年の安保理非常任理事国を務める。北朝鮮の核・ミサイルは地域の問題でもある。主導権を取り、困難な状況の中でも中露と渡り合ってもらいたい。

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