毒の類似物質、フグが異性誘うフェロモンか 名古屋大チーム発表

クサフグ=5月(名古屋大の阿部秀樹准教授提供)
クサフグ=5月(名古屋大の阿部秀樹准教授提供)

フグ毒「テトロドトキシン(TTX)」と化学構造がよく似た無毒の「TDT」に、フグを誘引する作用があることが分かったと、名古屋大のチームが英科学誌「サイエンティフィックリポーツ」に発表した。TDTがフグにとって異性を引きつけるフェロモンの役割を果たしているとみられる。

フグは、TTXを含む貝の仲間などを好んで食べて体内に毒を蓄え、外敵からの防衛や、雌が雄を引きつけるフェロモンに使っていると考えられていた。実際にはTTXと共に貝などに含まれ、フグ体内にも蓄積されているTDTを好んでいる可能性がある。

名古屋大の阿部秀樹准教授(神経生物学)は「毒を持つ仕組みが詳しく分かれば、無毒のフグの養殖にも役立つかもしれない」と話した。

阿部准教授と西川俊夫教授(生物有機化学)らはクサフグの嗅覚を調べ、TTXに全く反応しないのに対し、TDTには反応することを発見。水槽の片側にTDTを入れると、フグが引き寄せられることを確かめた。

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