日韓首脳が電話会談 北朝鮮脅威高まり安保協力図る

岸田文雄首相
岸田文雄首相

岸田文雄首相は6日夕、北朝鮮の度重なる弾道ミサイル発射を受け、韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領と約25分間電話会談した。抑止力を高めるため日米同盟や米韓同盟に加え、日米韓3カ国の安全保障協力の重要性についても確認した。両首脳の電話会談は5月の尹氏の大統領就任後、初めて。いわゆる徴用工訴訟問題などで日韓関係は悪化していたが、北朝鮮の脅威レベルが一層高まる中、首脳間で一定の連携を図った。

近年のミサイル発射の際、外相や政府高官の間で協議してきたが、格上げした形だ。両首脳は一連の発射は「国際社会の平和と安定に対する深刻な挑戦」として非難することで一致した。北朝鮮の完全な非核化に向け、国連安全保障理事会における対応でも連携する考えを確認した。

徴用工訴訟問題などの懸案は「ごく短いやりとり」(首相)だった。

徴用工訴訟問題で日本側が受け入れ可能な解決案が韓国側から示されない中、日本政府は首脳会談に慎重だった。だが、北朝鮮が異例の頻度でミサイル発射を繰り返し、4日には日本上空を通過。発射の兆候の把握や追尾に関する日米韓の情報共有は重要だ。米国から日韓関係改善を求められてきた経緯もあり、4日のバイデン米大統領に続き、尹氏とも電話会談する必要に迫られた。議題は北朝鮮対応に絞る形とした。

日米韓の抑止力をアピールする共同訓練も活発化させている。韓国軍合同参謀本部は6日、日米韓3カ国が同日、日本海で弾道ミサイルを探知する共同訓練を実施したと発表した。9月30日には、約5年半ぶりに対潜水艦作戦の共同訓練を日本海で実施した。

対面による日韓首脳会談は約2年10カ月行われていないが、首相と尹氏は9月、米ニューヨークで非公式の「懇談」形式で会った。(田中一世)

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