HVも禁止で日本車メーカー対応加速 米国の規制想定以上

米国ミシガン州デトロイトで9月14日に開催された北米国際自動車ショーを視察するバイデン米大統領。バイデン政権はEVシフトを訴えている(ロイター)
米国ミシガン州デトロイトで9月14日に開催された北米国際自動車ショーを視察するバイデン米大統領。バイデン政権はEVシフトを訴えている(ロイター)

米西部カリフォルニア州に続き、東部ニューヨーク州も脱炭素化に向けて、ガソリン車やディーゼル車の新車販売を2035年までに禁じる方針を示した。トヨタ自動車など国内メーカーが得意とするハイブリッド車(HV)も販売禁止の対象となる。主要都市を抱える両州がガソリン車の禁止を打ち出したことで、こうした動きが全米に広がる可能性もある。日本の自動車メーカーは、対応の加速が求められている。

ニューヨーク州のホークル知事は9月29日、温室効果ガスを排出しないゼロエミッション車(ZEV)の割合を段階的に引き上げる方針を示した。電気自動車(EV)の購入補助にも言及し、ZEVへの移行を促進する姿勢を強調した。

米国では8月にカリフォルニア州でも同様な規制案を決定。バイデン米政権も8月にEVの購入促進策を盛り込んだインフレ抑制法を成立させ、欧州や中国だけでなく、米国でもEVシフトが加速してきた。

国内メーカーの関係者からは「想定以上に動きが速く、後れを取らないようにしないといけない」と米国のEVシフトの速さを懸念する声も出ている。

カリフォルニアとニューヨーク両州の規制案にはHVがZEVとして認められておらず、国内メーカーには痛手となる。北米は国内勢にとって重要なマーケットで、21年度の大手6社の合計した販売台数は世界販売の約3割を占める。

HVが販売禁止となるため、国内勢は対応を迫られるが、三菱総合研究所サステナビリティ本部の志村雄一郎主席研究員は「(外部から充電できる)プラグインハイブリッド車(PHV)の販売を拡大することになる」と分析する。

規制案にはPHVがZEVに含まれている。国内勢はHVからPHVに切り替えて販売展開することになりそうだ。ただ、志村氏は「PHVは蓄電池の容量が大きくなるため、特に米国内の調達が課題になる」と指摘する。

両州の規制で最も影響を受けそうなのがHVに強みを持つトヨタだ。同社はEVだけでなく、地域に応じて、HVや水素、バイオ燃料車など全方位で脱炭素化に取り組む戦略を取る。

ロイター通信によると、豊田章男社長は9月29日にラスベガスで行われたメディアのインタビューで、カリフォルニア州の規制について、(業界が)基準を満たすのは難しいとの見解を示した。

HVの販売禁止の動きが全米に広がることになれば、各社はさらに戦略の見直しを迫られそうだ。(黄金崎元)

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