ノーベル化学賞2度目の米教授「天才という言葉がぴったり」 留学の鈴木教授

ノーベル化学賞を受賞した米国のバリー・シャープレス教授らの研究内容を、報道陣に解説する大阪大の鈴木孝禎教授=5日午後、大阪府吹田市の大阪大吹田キャンパス(恵守乾撮影)
ノーベル化学賞を受賞した米国のバリー・シャープレス教授らの研究内容を、報道陣に解説する大阪大の鈴木孝禎教授=5日午後、大阪府吹田市の大阪大吹田キャンパス(恵守乾撮影)

2022年のノーベル化学賞が授与されることになった米スクリプス研究所のバリー・シャープレス教授(81)について、かつて同研究所に留学していた大阪大の鈴木孝禎(たかよし)教授(50)は5日、「凡人では想像もつかないことをする、まさに天才という言葉がぴったりな人だ」と語った。

シャープレス氏は2度目の受賞で、今回の受賞の対象となったのは、簡単な反応を使って分子同士を連結させ、多様な機能を持つ新たな分子を作る手法。シートベルトが「カチッ」と音を立てて締まる様子に例えて「クリックケミストリー」と呼ばれる。

クリックケミストリーの登場によって、がんやうつ病の治療薬の候補となる化合物を探す効率が飛躍的に高まったといい、鈴木氏は「単純だが、すごい発想。間違いなく人類の役に立つ研究で、受賞も当然といえる」とたたえた。

鈴木氏は2007年、シャープレス氏の弟子にあたる科学者の研究室に留学。シャープレス氏は研究所にはほとんど姿をみせず、見かけたのは1年間の留学期間中にわずか2~3回だったという。ただ、早朝から学生に電話をして思いついたアイデアを聞かせたり、「この世に一番豊富にある溶媒は海水だ」と思いつき、すぐに学生にバケツを持って海に行かせたりとさまざまなエピソードが研究所では語り草になっていた。

鈴木氏は「とにかく暴走したら止まらない人という印象だが、発想したことをすぐ実行できるところが素晴らしい」と語った。

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