山口県は魚の養殖業者や酒蔵と連携し、地酒の酒かすをまぜた餌で魚を育んで販売する「ほろ酔い養殖」プロジェクトを進めている。漁獲の規模が小さい養殖業を、売れ行きが堅調な地酒でもり立てたい考えだ。関係者は「うまみと甘みが増す」と意気込む。昨年11月に県内の道の駅で販売した「ほろ酔いサバ」は好評で、全国展開を視野に入れる。ウマヅラハギ(カワハギ科)と「清流の女王」アユも来年中の販売を目指す。
酒かすは地元で酒蔵を運営する4社から購入。餌にまぜて魚に与え、身の成分や香りを分析すると、アミノ酸などの栄養価が高まり、うまみが強くなることが分かった。まぜる酒かすの量や、与える期間・頻度について試行錯誤を重ねている。
サバは特有の臭みが消えた。ウマヅラハギは肝のうまみが増したという。今年9月中旬に開催したアユの試食会では市民から「内臓に臭みがない」「甘みがあっておいしい」と評判だった。