原発「60年超」対応を検討 原子力規制委

経済産業省資源エネルギー庁電力・ガス事業部長の松山泰浩氏の説明に対して質問する、原子力規制委員会の山中伸介委員長=5日午前、東京都港区(鴨志田拓海撮影)
経済産業省資源エネルギー庁電力・ガス事業部長の松山泰浩氏の説明に対して質問する、原子力規制委員会の山中伸介委員長=5日午前、東京都港区(鴨志田拓海撮影)

原子力規制委員会は5日、最長60年と規定されている原発の運転期間の延長に関する政府方針を受け、法整備を含めた規制委側の対応方針を検討することを決めた。同日開かれた定例会合で、経済産業省資源エネルギー庁の担当者から政府の検討状況を聴取し、山中伸介委員長は「エネ庁から説明いただいた内容に基づき、規制委でも議論したい」と述べた。

原発の運転期間をめぐっては、足元のエネルギー危機を念頭に、岸田文雄首相が8月に運転期間延長についての検討を指示。安全性の観点から規制当局としても対応する必要があることから、山中委員長がエネ庁関係者から説明を聞く機会を設けるよう求めていた。

エネ庁の担当者は会合で、電力の安定供給の観点や、脱炭素化への取り組みを進める上で、原発の運転延長の必要性について説明。その上で、延長ありきでなく、規制委の安全確認が大前提であることも繰り返し強調した。運転延長の論点として、規制委の審査が長期化していることから、稼働停止期間を運転期間として算入せず、実質的に延ばすことを求める声が電力事業者側にあることも紹介した。

規制委からは「経年劣化を判断するデータが必要だ」「材料だけでなく設計のコンセプト自体の古さも検討したい」などといった意見が出た。

原発の運転期間は、東京電力福島第1原発事故後に原子炉等規制法の改正で導入された。運転期間は原則40年で規制委が認めれば1回に限り最長で20年延長できることになっている。

原子力規制委員会 原発を推進する経済産業省にあった旧原子力安全・保安院が担っていた安全規制の業務を分離させるなどして誕生した組織。東京電力福島第1原発事故を受け、推進と規制を同じ組織で行っていた反省を踏まえて設立された。国家行政組織法3条に基づき、人事や予算を独自に執行できて独立性が高い「三条委員会」として平成24年9月19日に発足。環境省の外局に位置付けられている。

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