角川会長起訴、社内資料で共謀判断 支払い了承が焦点 五輪汚職

角川歴彦容疑者(宮崎裕士撮影)
角川歴彦容疑者(宮崎裕士撮影)

東京五輪・パラリンピックを巡る汚職事件で、出版大手「KADOKAWA」ルートをめぐる東京地検特捜部の捜査は、会長の角川歴彦(つぐひこ)容疑者(79)を贈賄罪で起訴したことで事実上終結した。角川被告は、賄賂と認定されたコンサルタント料名目の支払いについて「覚えていない」などと関与を否定。特捜部は同社から押収した複数の資料などを基に、すでに起訴されている元専務らとの共謀が成立すると判断したとみられる。公判では、角川被告がいかに報告を受け、了承したかの立証が焦点となりそうだ。

関係者によると、特捜部は角川被告を逮捕後、時系列に沿ってKADOKAWAの社員らが作成した資料を提示。初めに示したのは平成26年に作成された資料で、公式ライセンス商品として五輪関連の出版物を販売するための検討や、スポンサー契約を主導した広告大手「電通」側の提案内容などが記されていた。

その後も別の時期に作成された資料や、大会組織委員会元理事の高橋治之(はるゆき)容疑者(78)=受託収賄容疑で再逮捕=の知人、深見和政容疑者(73)=同=が代表のコンサル会社「コモンズ2」への支払いに対し、違法性を指摘したとされるKADOKAWA法務部門社員らの会話の録音も示したという。

特捜部は、長年にわたりスポンサー契約をめぐる検討に関与した角川被告が30年末、役員らが出席し社内の重要事項を実質的に決める常務会でコンサル料の支払いを了承した-という構図を描いているもようだ。一方、関係者によると、角川被告はコンサル料の支払い自体は認識していたものの、「支払先などについては覚えていない」と説明。元専務らとの共謀を否定している。

ある検察OBは、KADOKAWA社内でコンサル契約の違法性が指摘されていた経緯に注目。「KADOKAWA側が高橋容疑者が『みなし公務員』であると認識していた証左であり、実際に利益が提供されている。贈賄罪の立証に問題はないのではないか」としている。(吉原実、桑波田仰太、石原颯、末崎慎太郎)

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