「なんでもできるバス」。2016年に登場したダイハツ「ムーヴキャンバス」は、軽というジャンルにあって、思い切ったネーミングが話題を呼んだ。狙いは当たり、広い車内とオシャレなデザインで大ヒットとなる。38万台を売り上げた人気車が2代目へフルモデルチェンジ、よりポップに、より快適さを増した。さらに派手さをおさえたシックなモデルを追加し、男性にもターゲットを広げる。初代に勝る人気を集める2代目に試乗した。
キャンバスを英語にすればCANVASだが、ムーヴキャンバスは〝CANBUS〟となる。「CAN(できる)」+「BUS(バス)」を組み合わせた造語で、まさになんでもできるバス。
車内は軽とは思えない広さ。もちろん長さ3395ミリ、幅1475ミリと軽の規格内だが、1ミリたりとも無駄にしないという意気込みにあふれる。大きな買い物をしても、収納に苦労はしないだろう。
2代目は初代で人気のツートンカラーの「ストライプス」に加えて、シックで落ち着いた雰囲気の「セオリー」が追加された。ストライプスがかわいすぎるという男性にはセオリーは魅力的。
エンジンは最高出力52馬力のノンターボに加えて、64馬力のターボが用意される。パワー重視の男性なら64馬力のターボエンジンは気になるところ。FFと4WDも用意され、トランスミッションはCVTで、なめらかな走りが楽しめる。
今回お借りしたのはストライプスのノンターボで、ピンクのツートンが目を引く。正直、50歳を超えた筆者には、少し〝イタイ〟カラーリングだが、女性にはうけそう。
インテリアは丸みを生かしたデザインと明るいカラーで、うまくまとめている。
パンやおにぎりなどが置けるスペースや、保温機能付きの「ホッとカップホルダー」は使いやすい。収納スペースもいたるところにあり、リアシート下には「置きラクボックス」、マスクの置き場所に最適という「インパネアッパーボックス」はここまでやるか、という感じ。
リアのドアは左右ともにパワースライドで、乗り降りしやすい。後部座席は余裕の広さとフラットなつくりで、カバンやレジ袋がたくさん載せられる。
走りは外観通りのマイルドな味付け。スタートボタンを押すとエンジン音が響くが、走り出すと音はそれほど気にならない。街中ではミラーも必要ないほど取り回しは楽だ。
街乗りならノンターボで十分、高速道路をよく使う人はターボがお勧め。プラス12馬力のパワーは、時速100キロでの走行や合流の多い都心部で威力を発揮する。
最初は少し恥ずかしかったピンクのボディーカラーも、すっかり気に入ってしまった。運転を楽しむというより暮らしを明るくしてくれるクルマ。ムーヴキャンバスは、乗る人みんなに〝癒やし〟を運んでくれる。
◇次回はランボルギーニ・ウルス