人への投資5年で1兆円 臨時国会召集、首相が所信表明

第210臨時国会の衆院本会議で所信表明演説を行う岸田文雄首相=3日午後、国会・衆院本会議場(矢島康弘撮影)
第210臨時国会の衆院本会議で所信表明演説を行う岸田文雄首相=3日午後、国会・衆院本会議場(矢島康弘撮影)

第210臨時国会が3日召集され、岸田文雄首相は同日午後、衆院本会議で所信表明演説を行った。成長分野に就業するためのリスキリング(学び直し)などの「人への投資」策を拡充し、5年間で1兆円を投入すると表明した。世界平和統一家庭連合(旧統一教会)を名指しした上で、悪質商法や多額寄付の被害救済に「万全を尽くす」と述べ、消費者契約に関する法令の「見直しを検討する」と訴えた。

演説は経済政策に力点を置いた。看板の「新しい資本主義」の3つの重点分野として「物価高・円安への対応」「構造的な賃上げ」「成長のための投資と改革」を掲げた。

こうした経済対策や新型コロナウイルス対応のため、今月中に総合経済対策を取りまとめ、令和4年度第2次補正予算案を今国会に提出すると語った。

物価高に関しては、来春にかけて電力料金の「急激な値上がりのリスク」があると指摘。負担軽減のため「前例のない思い切った対策を講じる」と打ち出した。政府内では、電力会社に補助金を支給して価格を抑える案や、各家庭を直接支援する案が浮上している。

さらに、円安のメリットを生かし、訪日外国人の旅行消費額「年間5兆円超」の達成を目指す考えを明らかにした。賃上げでは、看護師、介護職、保育士らの収入に関する「公的価格」をめぐり、「民間給与の伸びを踏まえた改善を図る」と主張した。

一方、内閣支持率の下落の要因となっている「政治姿勢」に演説序盤で言及。安倍晋三元首相の国葬への反対論を踏まえ「国民のさまざまな意見を重く受け止め、今後に生かす」と述べた。「旧統一教会との関係」について説明責任を果たすと強調し、相談窓口での法律の専門家による支援態勢を強化すると語った。

また、衆院小選挙区定数「10増10減」を反映した公選法改正案を「今国会に速やかに提出する」と明言。外交・安全保障については、中国や北朝鮮を念頭に「防衛力の5年以内の抜本的強化」に必要な防衛力の内容と予算規模の検討を進めると重ねて述べた。

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