待望の一発「ホッとした」 歴史に名を刻む22歳

【プロ野球ヤクルト対DeNA】7回 シーズン56号となる本塁打で生還し記念ボードを掲げるヤクルト・村上宗隆=神宮球場(斎藤浩一撮影)
【プロ野球ヤクルト対DeNA】7回 シーズン56号となる本塁打で生還し記念ボードを掲げるヤクルト・村上宗隆=神宮球場(斎藤浩一撮影)

待望の一発に神宮のファンも総立ちでたたえた。レギュラーシーズンの最終戦で、ヤクルトの村上が日本選手最多の56号。22歳の主砲が歴史に名を刻んだ。

5点リードの七回の先頭打者。4回目の打席に入った22歳が初球の内角球を完璧にとらえると、右翼席へ突き刺さった。「ばっちりでした」。十分な手応えに両手をたたき、ダイヤモンドを一周した。

「やっと出て、ホッとした」。言葉に実感がこもっていた。9月13日に王貞治に並ぶ55号を打ってからが長かった。試合前まで57打席も一発から遠ざかった。リーグ優勝が決まった9月25日、56号を念頭に「挑戦できるのは今、僕しかいない。いろんなプレッシャーもあるが、自分ならできると信じて頑張りたい」と気合を込めたが、本塁打が出ない間は打率も1割台と低迷。前日は、高津監督の配慮で今季2試合目の欠場となり、リフレッシュしてこの日を迎えた。

注目はシーズン最終打席で61打席ぶりに飛び出した一発だけではなかった。史上最年少にして令和初の三冠王もかかっていた。本塁打と打点の2冠は文句なし。3打数無安打でも首位打者争いを逃げ切れたが、第2打席に左前適時打を放って、自らのバットでタイトルをたぐり寄せた。

懐の深い打撃スタイルで広角に本塁打を打ち分け、プロ野球新記録の5打席連発など強烈な印象を残した。球団新の134打点を挙げた勝負強さに加え、高打率を残せたのは「選球眼」と四球攻めへの「忍耐」だ。好機に勝負を避けられるなど、四球数は両リーグトップの118個。「まだ実感はわかないけど、すごくうれしく思う」。好球必打で、チームをリーグ2連覇に導いた価値ある三冠王だった。(田中充)

61打席ぶり村上、最終戦で土壇場の「56号」

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