マック、吉野家…外食、値上げ一段と 回復に冷や水

値上げの動きが外食産業でも本格化してきた。原材料価格の高騰や物流費の上昇に急激な円安進行が加わり、価格維持が困難になっているためだ。大手を中心に再値上げに踏み切る企業が増え始め、年末にかけて追随する企業が増えるとの見方もある。新型コロナウイルス禍から回復基調にあった外食産業に、冷や水が浴びせられている。

日本マクドナルドは9月30日から、ハンバーガーなど約6割の商品価格を10~30円引き上げた。コロワイドグループのフレッシュネス(横浜市)も9月28日に「フレッシュネスバーガー」でバーガー類など一部商品を平均で約3%値上げ。ダスキンは11月から、「ミスタードーナツ」で10~30円程度値上げする。いずれも3月に続き今年2回目の値上げとなる。

また、吉野家ホールディングス(HD)傘下の牛丼チェーン、「吉野家」は1日午後2時から、全ての丼商品を税別価格で一律20円引き上げた。「牛丼 並盛」は店内価格(税込み)で426円から448円になる。同じ吉野家HDが展開する「はなまるうどん」も10月1日から、うどんやカレーなど一部商品を10~100円値上げ。すかいらーくHDも10月から順次、「ガスト」「バーミヤン」などで価格を引き上げる。

東京商工リサーチの調査によると、外食大手の約6割が今年1~9月上旬に値上げを公表。直近では小麦や牛肉の高騰を理由に値上げに踏み切る企業が増えた。輸入魚介類も高騰しており、寿司チェーン「スシロー」「くら寿司」がそろって1日に値上げした。

政府が新型コロナとの共存を模索するなかで、家族利用のニーズも多い外食チェーンの回復傾向は続いている。ただ、相次ぐ値上げで生活防衛意識が高まれば客離れにつながる。各社は値上げ後の顧客引き留めへ、お得感のあるサービスに注力。マクドナルドはコーヒーやドリンクなどの価格を据え置き、吉野家は定食メニューのご飯のおかわりサービスを継続する。

東京商工リサーチの二木章吉氏は、現状で大きな客離れは起きていないとする一方、吉野家やマクドナルドなど各業態の大手が再値上げに踏み切ったことで、「値上げのハードルが下がっている。競合他社は年末にかけて追随する可能性がある」と指摘している。(飯嶋彩希)

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