秋の味覚、中国産マツタケ高騰 ナシやカキ割安傾向

円安や気候変動が〝秋の味覚〟の価格にも影響を及ぼしている。高級な国産の代替として流通する中国産マツタケが平年の倍近く高騰すれば、環境変化の影響で不漁が続くサンマの価格も高止まりが続く。一方で、今年は梅雨が短く日照量が十分あったことで北日本や東日本が産地のナシやリンゴなどは生育が良く、昨年よりも卸売価格が下がっており、手頃に旬の果物を楽しめそうだ。

特に値上がりしているのは中国産マツタケだ。中国内での需要が増えているところに今夏の少雨で収穫量が減少。そこに円安も加わり日本への輸入コストが上昇した。東京都中央卸売市場の統計によると、昨年8月の平均の卸売価格が1キロ当たり約9000円だったものが、今年8月は約1万7000円に跳ね上がった。

「新型コロナウイルスの影響で中国からの船便が減少し、日本に入ってくる中国産マツタケの量が急減している。価格が高止まりしている期間も長引いている」。青果卸売りの築地くしやの担当者はこう話す。ただ、10月以降は供給量も徐々に増え、「価格は徐々に下がる」と見通す。

大型船による漁が8月に解禁されたサンマは9月下旬に水揚げ量が増えてきたものの、昨年よりも小ぶりなものが多いという。9月上旬の1キロ当たりの卸売価格は900円程度で昨年に比べて1割程度安いが、「それでも5年前の3倍近い価格で、漁獲量が大幅に増えなければ高止まりが続く」(全国さんま棒受網漁業協同組合)見通しだ。

ちなみに、焼きサンマに欠かせないおろしに使われるダイコンは、8月上旬の大雨の影響で平年より4割近く価格が上がっている。

対して、ナシやリンゴなどの旬の果物は昨年に比べても割安傾向だ。東京市場では、9月中旬のナシの卸売価格は1キロ334円で前年(366円)より約10%、リンゴは268円で前年(317円)より約15%それぞれ安い。「リンゴは長野などで適度な雨が降り生育がよく、ナシも目立った天候被害がなかった」(豊洲市場の青果卸売り)。また、カキも代表的な品種の「富有柿」が10%程度安く推移している。

ただ、果物の中でもクリは高値だ。東京市場では茨城県産の卸値が8月は1キロ900円程度で前年より3割ほど高い。生育期に雨が多く収穫量が減少したことに加え、「近年の和栗スイーツブームで商社なども調達を増やしており、需給が逼迫(ひっぱく)している」(名古屋市の和菓子店)という。(西村利也)

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