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新書『図書館の日本文化史』(高山正也著、ちくま新書・1012円)

『図書館の日本文化史』
『図書館の日本文化史』

図書館とは何か。理念的には「本を公共圏に置き、利用者に自由にアクセスさせる場所」といえる。ならば、日本にも奈良時代にさかのぼる長い歴史があった。元国立公文書館館長が、日本の書籍文化と図書館がいかにして今の形になったかを、前近代からたどる。

現在に直接つながる図書館制度の成立は、戦後の占領期。司書も健全な主権者を育成するための高度な専門職となるはずだったが、処遇困難などの理由で改革は中途半端に終わる。その挫折は今の公共図書館が理念なき「無料貸本屋」となりがちな理由にも関連しており、考えさせられる。

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