ソウルからヨボセヨ

久しぶりの文在寅節に苦笑

韓国の文在寅大統領(聯合=共同)
韓国の文在寅大統領(聯合=共同)

韓国の文在寅(ムン・ジェイン)前大統領が先週、大統領退任後初めての公式発言として「政府が代わっても約束は(お互い)尊重し守られなければならない」と述べ、話題になった。在任中、日本との外交関係で1965年の国交正常化条約や2015年の慰安婦合意など国家間の約束を無視してきた人なので「オッ?」と思ったが、日本とのことではなく北朝鮮との約束のことだった。

南北間で軍事緩和を取り決めた「9・19合意」4周年を機にした記念行事へのメッセージだったが、あれだけ北朝鮮の非核化を国際社会に触れ回り、平和、平和…といいながら結局は北朝鮮に裏切られ、直近では北から「核使用も辞さず」みたいな脅しさえ受けているのに、まだ北への〝片思い〟を語っているのだ。

しかもこのメッセージの後、韓国の外交専門誌『韓米ジャーナル』が当時、トランプ米大統領と金正恩朝鮮労働党委員長の間で交わされた親書27通の内容を公開。米朝の舞台裏では文在寅氏が無視されていた事実が改めて明らかになっている。

それにしても「政府が代わっても約束は守られるべきだ」などといえば日本から皮肉られると思わないのかしら。外交音痴? あるいは対日関係など眼中になく関心外? 退任しているので気にすることはないが、久しぶりの〝文在寅節〟に苦笑させられた。(黒田勝弘)

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