ウクライナ、NATO加盟申請へ 露の併合で表明

ロシアのプーチン大統領は30日、モスクワのクレムリン(大統領府)で上下両院議員らを前に演説し、ウクライナ東部のドネツク州とルガンスク州、南部のヘルソン州とザポロジエ州をロシアに併合すると宣言した。プーチン氏は同日、4州をロシアに編入するとの「条約」に調印した。演説でプーチン氏は、4州は9月23~27日の「住民投票」でロシア編入の意思を示したと主張し、「ロシアは領土をあらゆる手段で守る」と述べた。

プーチン氏は、ウクライナ侵略での占領地域を「ロシア領」として既成事実化し、ウクライナに奪還を断念させる思惑を鮮明にした。ロシアによるウクライナ領の併合は2014年の南部クリミア半島に続き2回目。米欧諸国は併合を認めず、追加対露制裁を発動する方針だ。

プーチン氏は演説で、戦闘を停止して交渉の席に着くようウクライナのゼレンスキー政権に要求。同時に、4州の帰属は協議の対象にならないと述べ、4州住民は「永遠にロシア国民だ」と述べた。「条約」は4州の親露派勢力との間で調印された。

ウクライナのゼレンスキー大統領(ウクライナ大統領府提供、AP)
ウクライナのゼレンスキー大統領(ウクライナ大統領府提供、AP)

ゼレンスキー大統領は30日のビデオ声明で「ウクライナを強靱(きょうじん)化し、全領土から敵を撃退することによってのみ平和は回復される」と述べ、北大西洋条約機構(NATO)への加盟を正式に申請すると表明した。「ウクライナに交渉の用意はあるが、別の露大統領とだ」とも語った。

4州に関するロシアの「条約」は上下両院での批准承認などを経て、10月初旬にも発効する見通しだ。

プーチン氏は9月29日、ヘルソン州とザポロジエ州を「独立国家」として承認する大統領令に署名。新領土の併合には「他国からの要請」が必要だと国内法が規定しているためだ。東部2州については2月、すでに国家承認していた。

バイデン米大統領は30日、4州の併合を受け、「米国はロシアの詐欺的な企てを非難する」との声明を発表。ウクライナの領土奪還を支援し続けると強調し、同盟諸国と連携して追加的な対露制裁を発動すると表明した。

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