主張

電気代の負担軽減 支援先絞り実効性高めよ

岸田文雄首相が関係閣僚に総合経済対策の策定を指示した。「物価高・円安対策」「構造的な賃上げ」「成長のための投資と改革」を3本柱として、電気代の高騰に伴う家計や企業の負担を軽減するため、激変緩和措置を導入する。

ロシアによるウクライナ侵略で世界的にエネルギー価格が高騰している。急激な円安が加わって輸入燃料の価格も上昇しており、この1年で電気代は家庭向けで約2割、産業向けは約3割も値上がりしている。

来春以降も大幅な値上がりが予想されるため、新たな負担軽減措置を設けることにした。単なるばらまきではなく、苦境に陥っている家庭や企業に焦点をあてた実効性ある対策が必要だ。

総合経済対策は、食品やエネルギー価格の高騰による物価高の影響を緩和し、家計支援などにつなげるのが目的だ。政府・与党で10月末までに対策を取りまとめたうえで、今年度第2次補正予算を編成する。

対策の柱と位置付けられているのが、電気代高騰の激変緩和である。与党内では節電に協力した家庭や企業に付与する節電ポイント拡充案のほか、電力会社に補助金を支給して料金を抑制する案などが浮上している。

すでに政府は物価高対策として、石油元売り会社に補助金を支給し、卸価格の抑制を通じてガソリンなどの燃料価格を抑える支援を実施している。今年1月に始めて期限延長を繰り返し、現在は年末までの予定で補助金総額も3兆円を上回る見通しだ。

電気代で同じような補助金を導入すれば、高齢世帯など幅広い層を対象とするため、ガソリン以上に支援期限の設定が難しくなる。困窮世帯などに支援を限定し、期限も明示して財政負担の安易な膨張を防ぐ仕組みが欠かせない。

また、節電ポイントを拡充する場合には、スマートフォン操作などに慣れていない高齢世帯に対する支援も課題となる。電気代を払わなければ、電気は止められてしまう。困窮世帯にはそうした場合の救済措置も求められよう。

世界的なエネルギー価格高騰に対応し、欧州各国も大型対策に乗り出している。自民党内には総合経済対策で巨額の財政出動を求める声が強まっているが、歳出規模ではなく、支援が必要な対象を見極めることも重要である。

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