「参院選出ず」猪木氏政界引退前の取材で語った思い

参院議員として本会議に臨むアントニオ猪木さん=令和元年6月、国会(春名中撮影)
参院議員として本会議に臨むアントニオ猪木さん=令和元年6月、国会(春名中撮影)

最後に「政治家・アントニオ猪木」を取材したのは、政界を離れる直前の令和元年6月5日だった。

後輩記者とともに参院議員会館の事務所を訪れると、76歳だった猪木氏は自身の健康問題などを理由に「(7月に控えていた)参院選には出ない」と明言。翌日付の紙面に「猪木氏『参院選出ず』」との記事を掲載することができた。

雑談に入ると、政治家としての最後の思いを吐露したかったのだろうか、自身の健康や外交への持論が自然と口に出た。

「本当は70歳の時には選挙に出るつもりはなかった。自分自身の健康の問題と同時に、高齢化社会の中でどう生きるかとか、色々なテーマがある」

「東京五輪を控えて北朝鮮問題も本当にどうするの? 人の往来を止めると、ちゃんとした情報が入ってこない。行き来ができるようになれば、ちゃんとした話が入ってくる」

唐突に「元気ですか!」と叫んだり、求められるままに〝闘魂ビンタ〟を注入したりする、よく知られた派手さとは程遠い、穏やかな語り口が今も脳裏に焼き付いている。(内藤慎二)

アントニオ猪木氏死去

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