JR只見線、11年ぶりに復旧も車両故障で運転見合わせ

JR只見線が11年ぶりに全線で運転を再開。地元住民らが手を振りながら一番列車を見送った=1日午前7時11分、福島県只見町(大竹直樹撮影)
JR只見線が11年ぶりに全線で運転を再開。地元住民らが手を振りながら一番列車を見送った=1日午前7時11分、福島県只見町(大竹直樹撮影)

平成23年7月の新潟・福島豪雨で被災し、福島県内の一部区間で不通となっていたJR只見線が1日、11年ぶりに全線で運転を再開した。JR東日本は当初、バスへの転換を主張したものの地元住民らが鉄道存続を強く要望。福島県が鉄道施設などを保有し、JR東が列車の運行などを担う「上下分離方式」で復旧することで合意し、鉄路が維持された。

朝霧のたなびく山間の只見駅(福島県只見町)では午前7時11分、満員の上り一番列車が警笛を響かせて出発。住民らは「おかえり只見線」と書かれた横断幕を掲げながら手を振って見送った。一方、下り一番列車は午前7時ごろ、塔寺(とうでら)(同県会津坂下町(ばんげまち))―会津坂本間(同町)を走行中に非常ブレーキが作動。車両故障で動けなくなり、乗客はバスに乗り換えて移動した。只見線は一時運転を見合わせた。

只見線は会津若松(同県会津若松市)と小出(新潟県魚沼市)を結ぶ全長135・2キロのローカル線。車窓に只見川の渓谷美と里山の風景が広がる「絶景の秘境路線」として知られ、中国のSNS(交流サイト)では「世界で最もロマンチックな鉄道」と称された。

復旧区間では被災前と同じ1日3往復運行される。一番列車を見送った只見町の小学2年、角田淳紘(あつひろ)君(8)は「遠くからいろんな人に来てほしい」と笑顔。只見駅前で旅館を営む只見町旅館業組合の組合長、菅家(かんけ)和人さん(64)は「地域住民の熱意が通じ国や県、JRの理解を得られた。まさに奇跡の復活。感無量だ」と話した。

23年の豪雨災害で3本の鉄橋が流出するなど甚大な被害を受け、会津川口(福島県金山町)-只見間の27・6キロが最後まで不通となっていた。

JR只見線、11年ぶりに復旧も車両故障で運転見合わせ

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