泉州タオル、信楽焼…万博で海外に12ブランド売り込め

令和7年開催の大阪・関西万博に向けて、近畿経済産業局が泉州タオル(大阪府)や信楽焼(滋賀県)など12種類の特産品を「地域ブランド」として選定し、海外に売り込む取り組みを進めている。いずれも海外での認知度はそれほど高くないが、関西への海外からの注目が高まる万博を販路拡大のチャンスととらえ、各特産品をまとめて「関西ブランド」としてアピールしていく。

「なぜ淡路島(兵庫県)で線香作りが盛んになったのか」「原料は?」。9月25日、在京都フランス総領事館(京都市左京区)で開かれたマルシェ(市場)のイベント。産業局が選定した地域ブランドの一つ、兵庫県線香協同組合のブースでは、外国人客らが買い物を楽しみながら担当者に質問をぶつけていた。

地域ブランドが在外公館のイベントに出展したのは初めて。この日は、12ブランドを手掛ける事業者がブースを設け、特産品の販売のほか、サングラスづくり(福井県)や甘酒を使ったドリンクの試飲(兵庫県)などの体験も行った。

兵庫県線香協同組合事務局の谷口太郎さんは「外国人には日本の伝統的な『お香』として興味を持ってもらえた。非常に良いアピールの場になった」と話す。

産業局は2年、「地域ブランド展開支援室」を発足させ、「上質な製品を手掛けているが、売り出すためもう一押しほしい」(同局担当者)とする泉州タオルや信楽焼、和束(わづか)茶(京都府)、広陵くつした(奈良県)など12製品を地域ブランドに選定した。

支援策として、各ブランドの事業者や団体の担当者が一堂に会してビジネス上の連携や販路拡大の方策について情報交換する場を設けたり、専門家を紹介してブランドコンセプトづくりを進めたりしている。

産業局の担当者は「約2820万人の来場者が想定される万博は、世界の注目が関西に集まるタイミングだ。海外に売り込むため、生産者が個別に情報発信するよりも、関西として一つにまとまった方が効果的だと考えた」と語る。

この取り組みについて、日本総合研究所の若林厚仁・関西経済研究センター長は「万博に直接参加できるのは、事業規模が大きく、経営的な体力がある中堅や大企業が中心。そこに入れない小規模な事業者が手掛ける特産品をまとめて『ブランド』として売り出すメリットはある」と評価している。(井上浩平)

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