主張

公明党の新体制 防衛力の充実へ舵を切れ

公明党の山口那津男代表の8選が決まった。山口氏の代表在任は、平成10年の党再結成後では、最長の13年に及ぶ。

代表交代が既定路線とみられていたが、来春の統一地方選をにらみ、支持母体の創価学会から経験豊富な山口氏の続投を求める声が高まり、一転して8選となった。

とはいえ、7月の参院選比例代表で公明は、昨秋の衆院選より約100万票も減らし、改選前の議席を保てなかった。責任を問われず続投となったのは、党内に人材が育っていない証左でもある。

9月の党大会で山口氏は「わが国を取り巻く危機の打開へ、総力を挙げていきたい」と語った。複数候補による代表選も行わず、世代交代が進まない党が活力を取り戻す道のりは容易ではない。

当面問われる政策課題は、年末にかけて検討が進められる、国家安全保障戦略など戦略3文書改定や防衛力の抜本的強化策だ。国内総生産(GDP)比2%以上を念頭に置く防衛費増額や、反撃能力の保有が焦点となっている。

山口氏は防衛費の急激な増加には慎重な姿勢を示してきた。反撃能力の保有をめぐっては、党内に慎重論もある。

公明は意見集約を図った上で、10月にも自民党との協議に入る見通しだ。

そこで求めたいのは、公明に、厳しい安全保障環境に置かれた日本の平和を守る党に生まれ変わってもらいたい、ということだ。

「平和の党」を標榜(ひょうぼう)する公明は、政府が安全保障政策を推進する際、ブレーキ役としてふるまってきた。だが、中国や北朝鮮のリアルな脅威が増している中で、与党の公明が防衛力増強の足を引っ張れば、国民の命と国の繁栄が損なわれかねない。

平和の実現には、抑止力と対処力の強化が不可欠だと肝に銘じ、与党として責任ある判断をしてもらいたい。

参院選で自民党と公明、日本維新の会などの改憲勢力が、発議に必要な3分の2以上の議席を維持した。だが公明は、自民が掲げる9条への自衛隊明記に消極的だ。公明が前向きになれば9条をはじめとする憲法改正は大きく前進する。これまで以上に積極的に改憲論議に加わってほしい。

公明の熊野正士参院議員がセクハラ疑惑で辞職した。綱紀粛正を徹底しなければならない。

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