バイデン米政権、太平洋島嶼国支援で「中国の威圧」に対抗

太平洋島嶼諸国首脳らとの会議に参加するバイデン米大統領(左から3人目)=29日、ワシントン(AP)
太平洋島嶼諸国首脳らとの会議に参加するバイデン米大統領(左から3人目)=29日、ワシントン(AP)

【ワシントン=大内清】バイデン米大統領は29日、ワシントンで行われた太平洋島嶼(とうしょ)諸国首脳らとの会議で「太平洋の人々のニーズを満たすために効果的に連携していく」と語り、6月に立ち上げた多国間枠組み「青い太平洋におけるパートナー(PBP)」などを通じた同地域への関与強化を強調した。

バイデン政権は同日発表した戦略文書で、島嶼諸国への影響力を強める中国を「圧力と経済的威圧で地域の平和と安定を損ねている」と批判。会議は同日、親中色を強めるソロモン諸島を含む参加国によるパートナーシップ宣言を発表し閉幕した。

太平洋地域は第二次大戦以降、米国にとっての「裏庭」とみなされてきたが、近年は中国が経済支援などをてこに島嶼諸国に接近。米政府高官からは、「米国の関与が手薄になっていた」ことが中国の台頭を許したとの反省も漏れる。

今回の首脳会議で招待を受けた島嶼諸国は、人口や経済はごく小規模ながら、その領域は地球の表面の約15%を占める。海底ケーブルの敷設ルートなどとして高い地政学的価値があるほか、漁業資源などの面でも大きな存在感を持つ。バイデン氏自身が首脳らをホワイトハウスでもてなすなどの歓待ぶりをみせたのは、太平洋地域を再び米国の懐に取り戻したいとの意思の表れといえる。

バイデン氏は会議での演説で、「島嶼諸国との連携を優先的に進める」と表明。島嶼諸国にとり「死活的な脅威」である気候変動による海面上昇への対策に全力を挙げると強調した。

バイデン政権は今回の会議を通じ、島嶼諸国の海洋安全保障や貿易促進、開発援助などのために今後、計8億1000万ドル(約1170億円)を支出すると発表。南太平洋の地域機構「太平洋諸島フォーラム」に新たに特使を派遣し、外交関係の強化を進めることなども明らかにした。

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