露、きょうウクライナ4州「併合条約」締結 反攻阻止狙う

旧ソ連諸国の安全保障・諜報機関トップを集め会議を開くプーチン露大統領=29日、モスクワ(AP)
旧ソ連諸国の安全保障・諜報機関トップを集め会議を開くプーチン露大統領=29日、モスクワ(AP)

ロシアのプーチン大統領は30日、親露派勢力が支配するウクライナの4地域をロシアに併合する「条約」に調印する。4地域で強行された露編入の賛否を問う「住民投票」で賛成多数となったことを受けた措置。ロシアは支配地域を「露本土」とし、核兵器の使用も容認する防衛対象として既成事実化することで、ウクライナに奪還を断念させる思惑だ。一方、ウクライナは領土解放を続ける構えを崩していない。

ロシアによるウクライナ領の併合は2014年の南部クリミア半島に続き2回目。米欧諸国は併合を認めず追加の対露制裁を発動する方針で、ロシアと米欧の対立がさらに先鋭化する。

併合に関する条約が結ばれるのは、ロシアと実質的に一体の親露派が9月23~27日に住民投票を実施した東部ドンバス地域のドネツク、ルガンスク両州と、南部ヘルソン、ザポロジエ両州の親露派支配地域。

ペスコフ露大統領報道官によると、プーチン氏は30日、4地域の親露派トップと条約の調印式に出席し、国民向けの演説を行う。同日には首都モスクワ中心部の「赤の広場」で併合を支持する集会が予定されており、プーチン氏が出席する可能性もあるとした。

条約は締結後、露憲法裁での審査や上下院での批准承認を経て、10月初旬にも正式に発効する見通し。

一方、ウクライナのゼレンスキー大統領は29日のビデオ声明で「ロシアはウクライナ領を獲得するのではない。ロシアは自身を大惨事に巻き込むのだ」と強調。ロシアのもたらす死と破壊を止める「唯一の方法は解放だ」とし、ロシアが併合を宣言しても反攻を続ける意思を表明した。

ゼレンスキー氏は30日、国家安全保障防衛会議の緊急会合を開催し、対露方針を改めて明確化する。

会員限定記事会員サービス詳細