ポトマック通信

聖地ユバルディ再訪

南部テキサス州ユバルディを再訪した。5月24日に児童と教師21人が殺害された銃乱射事件から4カ月が過ぎていた。発生翌日に駆けつけた時、現場のロブ小学校の前は警察の規制線が張られ、立ち入ることはできなかった。大勢の米メディアの記者らに交じって、校門前に献花に訪れた地元の人々らの後を追った。

中南米系移民が暮らす無名の共同体はその後、銃犯罪を憎み、銃規制強化を訴える全米の人々の〝聖地〟になった。学校の周囲に数々の犠牲者の顔写真、十字架、花束が飾られ、その前でテレビ記者らがリポートする映像は、世界中の同情を誘うとともに米国の銃犯罪の深刻さを知らしめた。

4カ月ぶりの再訪で初めて校門前に立った。子供らの写真も人形も風雨や暑さで朽ち、枯れた花束が山のように積まれていた。

数人が見学に来ていたが、「テレビで見た光景はこんなふうじゃなかった。なんか悲しい」と女性はぼんやりと眺めていた。

一方、中心街の壁には犠牲者一人一人の大きな似顔絵が描かれ、記憶を永久に残す試みも始まっていた。学校前に掲げられた「キッズ・ライブズ・マター(子供の命は大事だ)」というプラカードも撤去されるときが来るだろうが、メッセージは忘れられないでほしい。(渡辺浩生)

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