欧州、対露追加制裁の構え 仏独の対話路線とん挫

プーチン露大統領(タス=共同)
プーチン露大統領(タス=共同)

【パリ=三井美奈】欧州連合(EU)は、ロシアによるウクライナ4州併合宣言を前に、住民投票を「でっち上げの違法行為」と非難し、対露追加制裁案を発表した。欧州では、バルト海の海底パイプラインで起きたガス流出について「ロシアの工作」を疑う声が出ており、ロシアへの対決姿勢を強める可能性が高い。

EUの対露制裁案は、露産石油の取引価格に上限を設けることが柱。EUでは、露産エネルギー依存からの決別が不可避になったとの認識が広がっている。ガス流出事件は、対露警戒感をさらにあおった。

ドイツ政府は29日、エネルギー価格高騰から国民を守るため、2000億ユーロ(約28兆円)を投じると発表した。財政赤字を嫌う国としては異例の大型支援で、対露制裁が持久戦になることを見越したものだ。「バルト海のガス流出が影響を与えた」(公共放送ARD)など、国際情勢が政府に決断を促したとの見方が強い。

フランスのコロナ外相は27日、ウクライナの首都キーウを訪問した。「違法な住民投票は認めない」と明言し、クレバ外相に武器支援の強化を約束した。

独仏は対露制裁を支持しつつ、プーチン露大統領との対話を続けてきた。それだけに最近の動きには、「プーチン氏との長期的対決は不可避」との姿勢に転じたことがうかがえる。独仏は2014年のロシアによるクリミア併合後、ウクライナ東部紛争の停戦を調停し、今回も仲介を目指したが、ロシアが新たな併合に動いたことで、交渉解決は絶望的になった。

EUではバルト3国やポーランドが、ロシアとの対決姿勢を強めるよう主張している。ロシアからの渡航者についても「治安の危険を招く」として、反体制派の亡命や人道目的の来訪を除き、受け入れを原則停止するよう要求。エストニアはロシアの戦争犯罪を裁く特別法廷設置を主張した。

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