こちら警視庁災害対策課

災害時に困るトイレ 普段から想定し備えを

簡易トイレの工夫を伝えた警視庁災害対策課のツイッター画面
簡易トイレの工夫を伝えた警視庁災害対策課のツイッター画面

災害時は「トイレも被災する」と言われるほど、トイレにまつわる困りごとが尽きない。過去の災害では、断水などで自宅のトイレが使えなくなるだけでなく、避難所で不衛生なトイレになるべく行かないようにしようと、水分摂取を控えて体調を崩す人もいた。「トイレが使えなくなったら」を想定し、平時から準備をしておくことが重要だ。(大渡美咲)

《災害が起きたら、父は仕事に行くので家のことを頼むよ!》

子供にそう言い聞かせているのは災害時に被災地に出動し、救助に当たる警視庁災害対策課特殊救助隊に所属する大場雄次警部補(50)だ。小学5年の息子には、普段から気づいたときに災害時の行動などについて話をしているという。

今年2月には、バケツで風呂の水をくみ、トイレを流す練習をした。広く知られた方法だが、大場さんによると、うまくトイレを流すには、水量を増やしたり水を高いところから注いで勢いを出すことよりも、便器ボウルのあたりをめがけて一気に水を流し込むことがポイントだという。息子とはコツをつかむまで3回ほど練習。マニュアルを自作してトイレに貼ったという。

大場さんは「災害時にいきなりやると失敗して水があふれたりするので何もない時に練習しておくことは大事です」と話す。

リメークで簡易トイレを使いやすく

災害時にトイレを流せないケースもある。同課の石井稔警部補(51)が住むマンションでは、震度5強以上の地震発生時は、配管が壊れる可能性があり、確認されるまでトイレを使用しないとの決まりがある。家族でその決まりを共有し、いざというときのために簡易トイレを製作したという。

息子が以前、夏休みの自由研究で作ったといういすの中心部分をくり抜き、そこに黒いポリ袋の中に凝固剤を入れて使う簡易トイレをかぶせた。凝固剤つきの簡易トイレはインターネットなどで購入できるという。

石井さんは息子とともに実際に座ってみて安定感などを確認した。石井さんによると、国土交通省がYouTubeで「災害時のトイレ、どうする?」(https://youtu.be/QibdGdP8_oA)という動画を紹介しているといい、「災害時はトイレ自体も被災するとしており、どんな準備をするか普段から家族と話し合ってほしい」と話す。

トイレそのものだけではなく、トイレットペーパーも災害時には不足しがちだ。コロナ禍の当初にも買いだめに走る人がいた。同課の投埜(なげの)大悟警部補(46)は日頃から慣れ親しんでいる食品や日用品を多めに用意し、なくなったら買い足していく「ローリングストック」をすすめる。トイレットペーパーなら賞味期限もないのである程度のストックは可能だ。

投埜さんがトイレットペーパーが固定できない場所でも使いやすい方法をツイッターで紹介したところ、2・6万件の「いいね」がついた。芯を抜いてジッパー付きの袋などに入れ、中心から紙を取ることで紙がほどけることなく使用できる。また、手で触れる部分が少なくて済み衛生的でもある。ショルダーバッグに入れておけば外出先や避難先でも取り出しが容易だ。

投埜さんは「トイレットペーパーはないと非常に困るものなので、単に備蓄するだけではなく、使い方も工夫すれば避難先のトイレでも困らないと思います」と話している。

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